PDF/X-1a入稿専門サイトの宣伝攻勢を見て思うこと

最近やたらとGoogleの広告でPDF/X-1a入稿専門サイトを見ます。5年前に全く同様のコンセプトの印刷通販会社の企画立案プレゼンをやったことを思うと、隔世の感があります。5年も早かったのかとも思いますけど、一般にテクノロジーアーリーアダプターでもてはやされる時期と、実需で盛り上がる時期にはタイムラグがあります。PDF入稿専門サイトについては5年早かったということです。

実需の盛り上がりまでに時間がかかりそうなもの

といって思いつくのは現在では「電子書籍出版」ですね。DTP業界では数少ない将来のメシのタネを見つけたとばかりに大いに盛り上がっていますが、実際にビジネスとして盤石に立ち上がるのは2015年ぐらいからではないでしょうか?もちろんそれまでに技術を習得して来たるべくビジネスチャンスに備えるのは重要だと思いますが。あとは、Googleが始めようとしているクラウド・コンピューティングに大きく依存したOSとか、同様にクラウド音楽配信サービスとかもマジョリティに浸透するには5年ぐらいかかりそうです。

PDF/X-1a入稿専門についてもう少し

個人的には「PDF/X-1a」専門というのはどうかなぁと思いますね。PDF/X-1aはレイヤーの保持を認めていませんから、変換時に統合するわけですが、その変換過程で結構トラブルがあるんですよ。その点、透明の統合処理を気にしないで済むPDF/X-4の方がトラブルはずっと少ないです。PDF/X-1aで出力したら間違いないかというと実際はそうでもありませんし、2011年にX-1aに限定するというのは遅い気がします。近年のRIPはX-4にまず対応してますので「PDF/X-1a」専門ではなくX-4も推奨した「PDF/X入稿専門」でよかったんじゃないかと人様のことながら思います。