EPSを理解するための良記事

〔基礎〕EPSファイルとは?(その1) - Le Tombeau de Aga1ychnis Callidryas
〔基礎〕EPSファイルとは?(その2) - Le Tombeau de Aga1ychnis Callidryas
〔基礎〕EPSファイルとは?(その3) - Le Tombeau de Aga1ychnis Callidryas

InDesignのEPSが不正ということではないのです。Illustratorで正常に開くことができると言い得るEPSは同じバージョンのIllustratorで作成したEPSに限られると思っていた方が無難です。InDesignを含め他のアプリケーションで作成されたEPSは正常に開けないか、開けたとしてもそれは偶然でしかありません。なぜなら再三書いている通りEPSはIllustratorのネイティブ・ファイルではないからです。

入稿データとしてのEPS

とても勉強になりました。私に出資してくれた印刷通販会社のボスは「とにかく入稿はEPSで!」とかなりの頻度でリクエストしてきます。親会社は利益の九割をイラストレーターで作成される小ロットのペラ物から生み出しているのです。塗り足しが足りない等の入稿データの不備は入稿されたデータがイラストレータで出力されたEPSなら容易く修正できます。こういった修正のしやすさが第一の理由。第二の理由は面付けソフトにInDsignを利用していることです。イラストレータ出自のEPSファイルをインデザインに配置するのは、王道のワークフローなのでこちらもノウハウの蓄積が十分あります。小ロットのペラモノが得意な印刷通販会社にとってEPSファイルとはイラストレータで出力されたものであり、面付けするのに最も都合のよいファイルだからです。

入稿データとしてのPDF

入稿データとしてお約束通りに作られている場合にのみPDFデータは嫌われません。問題のないPDFを現場に渡している限り文句は皆無です。(厳密に言うと、プリプレスを生業としながらPDFデータを入稿すると怒り出す人も業界には少なからずいますが・・・)正しく作られているという前提に立つ場合においてのみ、PDF入稿はデータの出自は問わないし、不必要に重たい画像はダウンサンプルしてくれるし、データは堅牢だし、OSの壁も気にしなくて良いし、メリットがデメリットを上回っています。

印刷通販会社にとってはEPSを入稿標準フォーマットとする方が現状では楽です。

リンク先にあるように出自がイラレでないEPSをイラレで開けたとしても「偶然」でしかないように、PDFファイルをイラストレータで開けたとしても偶然です。9割7分の入稿データがイラレで作られている限り、特に不特定多数の顧客に満足を提供しなければならない印刷通販会社はEPSファイルを推奨するでしょう。逆に顧客数の少ない既存の印刷会社こそPDF入稿を本来推進すべきです。特定のクライアントとデータをやりとりするのならば、PDFワークフローの方が様々な意味においてメリットが大きいと思うのです。しかし現実は、少し疲れた既存の印刷会社のDTP環境は、OS9イラレ8である場合が殆どです。故に、不必要に肥大化したEPSファイルを詰め込んだMOを抱えた営業マンが街を未だに走り回ったりしているわけです。せめてUSBメモリにしたら?と思いますけど・・・旧いMacUSBメモリも駄目でしたっけ・・
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