ePubの知識はビジネスになるか?

DTP界隈のブログコミュニティはこぢんまりとしているのですが、このところ愛読しているサイトの多くでePubに関する議論で非常に盛り上がっています。iPadブームがその原因です。今のところInDesignを操れる人の間で、将来の明るい展望が語られています。

DTPの延長か?Webの延長か?

でも私が臆断するに、InDesignePubデータ作成の基準にはならないと思います。電子デバイス上に文字と画像を配置する技術はDTPの延長線上ではなく、Web作成の延長線上にあると思うからです。InDesignを既に操れる人はともかく、これからのePub市場の拡大を見込んで、InDesignの学習を始めるのは、賢明な選択とは思えません。

印刷通販ePubは影響なし

出版業にとってはリアルに関わってくる問題だとは思いますが、印刷通販で日々、処理させていただいているデータの内容から推察するに、それらはePubと置き換わるような性質のものでは全くありません。情報の大量複製および頒布という印刷物の役割は基本的には無くなるようなものではないと思います。

付加価値としてのePub

ただこんな妄想はしてます。印刷データとして預かったデータをネット上でも頒布させるためのフィルターとしてのePubです。全てのフォントをアウトラインしてしまうのがお約束になっている現状では敷居が高いと思いますが、フォント埋め込みのPDF入稿がメインになれば、現状の印刷物を納品して終わり、というビジネスモデルからの脱却の糸口になるかもしれません。つまりお預かりしたデータをネット上でも頒布できる仕組みを作れば、明確に同業他社との差別化が出来るということです。弊社は特にイベントの通知のフライヤーやポストカードの注文が多いのですが、情報を多くの人に伝えるという印刷物の本来の役割を考えれば、その役割を拡大するePubという付加価値を創造する仕組みには、新しい商機があるような気が致します。